敷島製パン株式会社 Partner’s Interview vol.3 

敷島製パン株式会社 人事部 ダイバーシティ・インクルージョン推進室 杉山様、水谷様(取材日:2021年11月8日)

着実な成果とともに、社員一人ひとりの働きやすさ実現に取り組む

女性活躍推進と男性育休取得に力を入れている、敷島製パン株式会社。人々の毎日の生活に寄り添う食品製造業ならではの難しさも感じながら、D&I推進に日々取り組んでいます。今回は、敷島製パンにおけるD&I推進の取り組みや、その中で見えてきた成果と課題、そして保活総研に参画したご感想などを伺いました。  

―D&I推進組織を立ち上げた経緯について教えてください。 

水谷様(以下、敬称略) 労働人口の減少や育児・介護をしながら働く社員が増えるという社会環境の変化を踏まえ、社員の意識改革や職場の環境整備に取り組みたいという思いから、2016年にダイバーシティ推進室として設立しました。立ち上げ当初は女性活躍を重視していましたが、現在は男女問わず働きやすい会社を目指して男性育休の取得促進にも力を入れています。

杉山様(以下、敬称略) 弊社におけるダイバーシティの概念は育児や保活だけでなく、外国人やシニア、障がい者、LGBTQの方なども対象として、幅広い支援を行っています。

―今、一番力を入れていることは?

水谷 女性活躍と男性育休が大きなテーマです。弊社は2020年に創業100周年を迎え、それを機に経営理念を一新しました。新しい経営理念には「性別・国籍に関係なく、向上心に燃える社員一人ひとりの自己実現の場を公平に提供」「充実した仕事と生活の両立を追求」といったワーク・ライフ・バランスやダイバーシティ・インクルージョンの視点が盛り込まれており、この理念に沿う形で活動を進めています。

―特に女性活躍と男性育休に力を入れている理由は何でしょうか?

水谷 弊社は男性社員の比率が高いのですが、全ての人にかかわる食品企業としては高い視座を持った女性社員をもっと増やしたいと考えています。ワーク・ライフ・バランスを考える上でも、男性の働き方を変えることは会社全体の働き方を変える、ということにもつながってきます。女性の活躍にはどうしても男性の家庭参画も重要なので、女性活躍と男性育休の両輪で取り組みを進めているところです。

杉山 昨今は少子高齢化で採用が難航し、弊社に限らず若い社員の転職や離職が増えています。そういった面でも、今働いている女性社員には少しでも長く、個々の能力に見合った活躍をしてもらいたいと思い、支援に力を入れています。

―御社にとって、男性育休に取り組むメリットは?

水谷 長期の休みを取ることが、働き方を見直す良いきっかけになればと思っています。特に弊社は食品企業なので、休みの間に家事や育児などを経験し、生活者の視点を身に付けることにも意味があるはずです。これまで気付かなかった部分を見つめ直すことが今後の糧となり、仕事にも還元されていくのではないでしょうか。

杉山 男性育休が社員全体の意識改革にもつながると考えています。最初はなかなか理解を得られなかった管理職にしても、最近では徐々に「時代に合わせて変化しなければ」と納得してくれる人が増えてきました。そうやって少しずつ働きやすい環境に変化していけたらと思っています。

―D&I推進における成果と課題、今後力を入れていきたいことを教えてください。

水谷 もともとの母数は少ないものの、女性管理職の比率はこの5年で約3倍、役職に就く女性の数も約2倍になり、2019年には初の女性役員が誕生しました。男性育休に関しても、「男性育休100%宣言」を出した2019年頃から意識が高まり、徐々に取得率が増えています。

杉山 今後は、女性活躍や男性育休に加えて、LGBTQに対する理解も全社的に深めていきたいと思っています。

部門の違いや地域差が課題に。保活支援を通じて女性活躍を広げたい

―保活総研に参加した背景について教えてください。

水谷 もともと産休前や復職後の面談は実施していましたが、地域の保育園情報などの答えにくい質問を受けることも多かったので、担当者が活用できるような知識や情報を得たいと思い保活支援の導入を決めました。現在は関東圏だけの導入ですが、弊社は全国に10箇所の工場があり、各地に両立支援の担当者がいます。いずれはそれぞれの担当者にも知識を身に付けてもらいたいと考えています。

杉山 中部圏・関西圏は首都圏ほど入園状況が厳しくないため、保活に対する問題意識にも差があります。そういった地域差も課題に感じていました。

―今後、御社の中で復職支援はどのように発展しそうですか?

水谷 会社が復職を支援する姿勢を社員に見せることが、女性活躍全体の推進につながると考えています。会社が復職を支援することで社員の中にもキャリア継続の意識が醸成され、良いロールモデルが広がっていくのではないでしょうか。また、出産をする女性社員のみならずパートナーと一緒に保活を考えることで夫婦で協力し合うという相乗効果が生まれると思います。

―今後の保活総研に期待することはありますか?

水谷 他社の成功事例だけでなく、失敗事例なども共有できればいいなと思います。会社によって状況は違うと思いますが、良い事例はぜひ自社でも取り入れていきたいですね。今はオンライン開催がメインですが、コロナの状況が落ち着いたら対面でお会いできる機会もあるとうれしいです。

―最後に、D&I推進組織として実現したいことやメッセージをお聞かせください。

水谷 男女関係なく、社員全員が働きやすい会社を目指したいと思っています。弊社は製造部門、営業部門、間接部門など多くの部門がありますが、どの部門でも働きやすい会社を実現したいです。職種によっては、夜勤や土日出勤があったり、重いものを運ぶ作業があったりとまだまだ課題が多いです。それぞれの部署・職種の特徴を踏まえながら、どのような対策が必要か、それぞれに検討し、全社でD&Iを推進したいです。

杉山 今期からは製造部門の働き方に関する改善計画もすすめています。みんながD&I推進のメリットを受けられるようにしたいですね。

―本日は貴重なお話、ありがとうございました。


部門の違いや地域差といった特有の課題と向き合いながら、D&I推進に取り組んでいる敷島製パン株式会社。社員一人ひとりの働きやすさを真摯に考えることが、生活者の身近にある食品企業としての姿勢につながっていることが伝わってきました。今後は保活総研を通じて、さらにD&I推進が加速していくことを願っています。

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