保活体験談 vol.2 |営業職×広告 吉松 明日香さん

保活が働き方を見つめ直すきっかけに

「保活が人生やキャリアを見つめ直すきっかけになった」と語る吉松明日香さん。不安を抱えた状態から、相談員のアドバイスで自身の妊娠・出産をポジティブに受け取れるようになったという吉松さんに、「保活のミカタ」※1を利用して良かった点や出産後の働き方について伺いました。

組織への貢献は「時間」だけじゃない。育児で培った効率化や相手目線で新たな価値提供

はじめに、これまでのキャリアについてお聞かせください。

2009年に入社し、ずっと美容広告業界の営業を担当していました。2017年に第一子を出産し、復職から半年後に他部署に異動。2019年には第二子を出産し、2020年10月からはクライアントサポートという部署で社員の方たちをまとめるリーダーを務めています。

産休を取得する際、復職や保活についてはどのようにお考えでしたか?

正直なところ、第一子の時は産後のことまで考えられておらず、妊娠が分かってまず思ったのは「どうしよう。会社に迷惑をかけてしまう」ということでした。当時は美容業界の中でも、特にトップクラスの技術を誇るクライアントの多いエリアの営業を任されていました。これからさらに頑張らなきゃ!と思っていた矢先の妊娠でした。赤ちゃんができた喜びよりも、この先どうやって育児をしながら営業としてやっていくべきかという心配で頭がいっぱいでした。

復職や保活への不安や悩みはありましたか?

第一子出産の復職後は、今思うと無理な働き方をしていたと思います。これまで同様のパフォーマンスを発揮するには労働時間でカバーするしかないと思っていたのですが、子育てとの両立がなかなか難しくて。延長保育を利用して19時にお迎え、子どもが寝るのは23時という日もある生活で、自分自身も体調を崩してしまいました。そこで「この生活は本当に自分の理想なのか」と考えた時に、やはり違うのではないかと。仕事と育児を両立する上では、労働時間とは違う形で組織に貢献する方法を考えなければと思うようになりました。

その悩みを解消できた、きっかけがあれば教えてください

働き方を模索していたタイミングで部署異動が決まりました。他部署への異動をきっかけに、自分の経験を生かした貢献の仕方に気づいたことです。コールセンターの業務は誰かが休んでもカバーし合える業務設計になっていて、そういう組織を経験したおかげで労働時間に依存しない働き方もあるということを知りました。その時に、私自身がこれまでの仕事や子育ての経験から得た、効率化や相手目線で考える方法を同僚やメンバーに伝えていくことで、新たな価値を提供できるのではないかと思いました。それが自分にとっては目からうろこが落ちるほど大きな発見で、狭かった視野が一気に広がった気がしました。そこで自分も延長保育を利用せず、どれだけ組織に貢献できるかチャレンジしたいと思いました。

現在のお仕事では、どのような働き方をされているのでしょうか?

今年から70名近い社員の方たちをまとめるリーダーを務めながら、18時のお迎えに間に合うように16時半までの時短勤務をしています。その勇気を持てたのも、第一子の復職時に学んだ経験が大きいです。対面営業から非対面営業の組織に異動してきた時は、自分の介在価値をどこに発揮していったらいいか悩んだ時期もありましたが、結果としては新しい働き方を知るきっかけになり、次のキャリアの道筋にもつながりました。現在の部署では営業現場とクライアントサポート部隊の橋渡しをするような役割や、より短時間で成果をあげられるようなサポートシステムの検討を行っています。戦略立案業務も任せてもらえるようになりました。何事も無駄な経験はないということですね。

親身なアドバイスが今後の働き方を考えるきっかけに

「保活のミカタ」を利用したきっかけは?

第二子の出産時、復職時期に悩んでいたので相談しました。0歳4カ月・0歳9カ月・1歳4カ月という3パターンの入園・復職時期を相談員の方が一緒にシミュレーションしてくれました。低月齢の子を預けることに不安はありましたが、結果的には0歳4カ月での復職を決め、無事に希望の保育園にも入園できました。

利用して良かった点や役に立ったことはありますか?

相談できて、とても安心しました。出産に伴って休職を取ることで、直属の上司や同僚には多かれ少なかれ「迷惑をかけてしまう」という遠慮があるので、第三者に相談できたことは大きかったです。また、相談の後も気になることがあればすぐに質問できて、社内にメンターがいるような感覚でしたね。 具体的なところでは、調整指数の計算を教えてもらえたことが良かったです。一緒に計算して、昨年までの園ごとの実績を見ながら申し込みの戦略を立ててくれたのはすごく助かりました。地域によって計算の仕方も違うので、相談できる人がなかなかいなくて。

他に、心に残ったアドバイスがあれば教えてください。

復職時期を考える際に「どんな家庭にしたいのか」「子どもにどんな保育園生活を送ってほしいのか」という長期的な視点でアドバイスをいただいたことが、今後のキャリアや人生を考えるきっかけになったと思います。単なる保活の情報共有ではなく、人生に寄り添ってくれている感じがすごくしましたね。何より、ここまで親身になってくれる人がいる会社のことをもっと好きになりましたし、「なるべく早く復職して組織に貢献したい」という想いも強まりました。

保活支援を通じて、妊娠・出産や働き方への考えに変化はありましたか?

会社に妊娠を報告する時、「みんなに迷惑をかけてしまう」「キャリアがストップしてしまうのでは」という不安もありました。でも、手放しに祝福し、復職後のことを真剣に考えてくれる相談員の方がいてくれたおかげで、これは喜んでいいことなんだと思えました。キャリアについても「進むスピードはゆっくりになるかもしれないけど、今までの経験は無くならないよ」と言ってもらえて、妊娠・出産という経験をプラスに受け取れるようになりました。実際に今の仕事でも、自分の経験を生かしながら限られた時間で結果を出す方法を伝えています。私の場合、保活をきっかけに労働時間以外でどのような価値を提供するか・組織に貢献できるかという働き方をあらためて見つめ直すことができ、成長につながったと思います。

支援の輪を広げていってほしい

今後、保活総研に期待することはありますか?

社内はもちろん、他社にも支援の輪を広げていってほしいです。育児や保活について周りの理解を得られず、失意の中でキャリアを諦めていく人はまだ多いと思いますが、「出産しなければよかった」という気持ちが1%でも残ってしまったら悲しいですよね。出産をポジティブに捉え、その経験を生かして仕事も家庭もより頑張っていきたいと思える。そんな人を一人でも多く増やしてもらいたいです。


「保活のミカタ」との出会いが、今後のキャリアや人生を見つめ直すきっかけにもなったという吉松さん。自分の経験を生かした働き方を実現した姿は皆さまも共感されるのではないでしょうか。

※1保活のミカタについて
保活のミカタは「従業員の保活支援」を目的にした保活総研の取り組みです。
休職を取得する従業員と保活に関する面談を実施したり、保育園入園に関する最新データの共有を行っています。

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